今回は『アトランティス 失われた帝国』について書いていきたいと思います!
2001年に公開されたウォルトディズニー生誕100周年記念の作品だそうです。
ジュール・ヴェルヌという方が作った『海底二万里』を題材とした作品だそうですが
ディズニーの第二次暗黒期を象徴するみたいな感じでネットとかで見かける映画の評判は賛否両論、やや否が多めかなーという感じです。
正直、ネガティブな感想とか読むと見る側のモチベーションが著しく下がるので
あんまネットで映画の悪口とか書かないでほしいです。
僕は未視聴で、今回ようやく『アトランティス』と今後取り扱うであろう『トレジャープラネット』が別の映画だと認知したぐらいの知識レベルです。
確か上映当時の僕はディズニーを漠然とオワコンだと思ってたような気がします。
そんな僕ですが今回視聴してみた結果、
面白いか面白くないかとかは別にしてこの作品を応援してあげたくなりました。なので、公開されてから20年以上経っているアトランティスを、今更感と余計なお世話感と誰得感が半端ないですが応援する気持ちで感想書きたいと思います。
他のディズニー映画の感想が気になる方はこちら。
アトランティスのあらすじは以下のような感じです。
言語学者マイロは、祖父が追い求めた「失われた都市アトランティス」を探すため、億万長者ウィットモアの支援を受けて探検隊に加わる。海底での冒険の末、アトランティスを発見し、そこで生き残った住民や彼らの文化に出会う。しかし、隊長らの真の目的が文明の略奪だと知ったマイロは、アトランティスを守るため住民たちと協力し、隊長たちに立ち向かう。
ということでアトランティスです。
今回僕はアトランティスの非公式サポーターとしてこんなテーマで書いてみたいと思います!
頑張れ!『アトランティス 失われた帝国』~アトランティスを応援したくなる理由~
では、なぜアトランティスを応援してあげたくなるのか?ということなんですが、
僕的にはこの作品を視聴して作り手の心意気を強く感じ取ったのです。具体的には
「いい加減、歌と踊りとかもう嫌だ!コルドロンで失敗した先人たちの意思を受け継いで俺たちがディズニーのイメージを覆してやる!!!」
みたいな心意気です。
そう、アトランティスはコルドロンでディズニーがやろうとしたことに再びトライしたのではないかと思います。
アトランティス公開当時の時代背景
僕が思うに、アトランティス公開当時の世間のディズニーのイメージが「だせぇ」とか「古い」とか落ち目的な扱いになってしまっていたのではないかという印象があります。
冒頭で記載したとおり、僕自身、ディズニーをオワコンだと思っていた記憶があるので。
そんなディズニー落ち目な空気になっていたアトランティス公開当時の時代背景として私が知る限りで挙げられるのは概ね以下の3点かと思います。
a.ドリームワークスの『シュレック』という思いっきりディズニーの作風をバカにしたパロディ作品がヒット
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浜ちゃんのイメージが強い |
b.ピクサー作品を中心に(前出のシュレックも同様)フルCGのアニメ作品が流行しており、手書きアニメーションがレガシーな技術のような印象になる
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2001年はこの作品が公開されていた |
c.千と千尋の神隠しがバカヒット。ジャパニーズアニメーション、オタク文化みたいなものが世界的にもクールな感じになり始める
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あり得ないぐらい売れてた |
といった具合で、こうなってくるとアメリカの伝統的且つ王道中の王道ど真ん中な作品を手掛けてきたディズニーにとってとてつもない逆風が吹いていたように思われます。
向かい風が強すぎて多分、ディズニーのスタッフたち全員、ゼログラビティ出来るレベルだったんじゃないかと思います。
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多分、全員この状態だった |
そんな時代背景も相まって、この逆風をはねのける為に一念発起で黄金期に散々やり尽くした方向性を180度変えることにしたんじゃないかと僕は思うのです。
その意味で、ディズニー従来の顧客層である
ファミリーやカップルなど愛に満ち溢れた層だけではなく、
・カジモドみたいな童貞野郎
・ハデスみたいなくたびれたおっさん
・ピーターパンみたいな思春期に入り親に反抗している中二病
などのディズニー映画見ない層に刺さる作品を作り、
様々な客層を囲い込みに行くことで、次の暗黒期を回避しようとしたのではないかと思うのです。
ということでここからは具体的にどの辺がチャレンジだったのかを見ていきたいと思います。
1.黄金期的作風からの完全脱却
コルドロン以降も黄金期的作品からのマイナーチェンジ的なトライは何度かあったかと思います。
ポカホンタスやノートルダムの鐘のように大人向けのシナリオを用意してみたり、ターザンのように音楽はあくまでもBGMとしてミュージカルではない作風にしてみたり。
ただ、今回はそんなレベルではありません。
音楽も踊りも一切なし、死人出まくり、主人公の肩の上に乗りがちな可愛いキャラなし、
姫は8000歳の婆さんといった具合です。
そんなわけで、コルドロン以来のPG12指定作品となりました。
ちなみに脚本を手掛けたのはタブ・マーフィー。『ノートルダムの鐘』や『ターザン』を担当しており、満を持しての完全なる脱ミュージカル作品といった感じでしょうか。
ディズニー側はタブ・マーフィーの脚本制作において「君の好きに作ればいいから」と何度も声をかけたようです。
このことからも、ディズニー自身が一皮むけたいという意思があったことは明らかなように思います。
ということでこれまでのディズニー映画のような歌と踊りが無いわけですが、
その分、魅力的な仲間や敵、そして目まぐるしい舞台転換により退屈しない作りになっています。
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8000歳の婆さんキーダ |
2.群像劇的なアプローチ
正確には群像劇とは言えないとは思いますが、主人公を取り巻く複数人の様々な登場人物たちが主人公の仲間として立ち回ります。
これも従来のディズニー作品だと精々主人公の肩の上とかでうろちょろしている可愛いキャラがいるぐらいで、3人以上の仲間たちが一緒に旅をするという構図は非常に少ない。
僕はこういう群像劇的な作風は大好きなので、色んな役職のキャラが出てきて一緒に旅をするという流れはとてつもなくワクワクしました。
ただ、だからこそもう少し各キャラの見せ場は欲しかった!
ラストの敵と戦う場面で、各キャラの強みが生かされる場面があれば最高。
モールが穴掘って敵を穴に落とすとか、ヴィニーがダイナマイト使って敵を爆破するとかね。
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このチーム感、好きな人は好きやろ |
3.どんでん返し的な展開+敵のクズ度合いが歴代最高レベル
ディズニー映画といえば一本道の王道ストーリーが主で、どんでん返し要素がないのが基本ですが、今作では一緒に冒険をしていたメンバーが実は敵だったという展開があり、これはディズニー映画としてはとても斬新です。
加えて、その敵がちゃんとクズです。今作のクズ描写はアトランティスの王を腹パンして殺すところなのですが、これは結構歴代最大級にクズではないでしょうか。
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クズofクズのローク司令官 |
これまでも定期的に取り上げていますが
クルエラの食事を粗末に扱う描写、メデューサの子供を足蹴りにする描写、アースラの犬を足蹴りにする描写などなど、数多くの「こいつ、許せん!早くやっつけろ!」描写がありましたが、老人殺害はちょっと早くやっつけろどころの騒ぎではないです。
クリリン殺された時の悟空ぐらいの感情になります。
なので思う存分、主人公たちを応援することが出来ます。
敵でいうと、あとはローク司令官の側近のヘルガが最高に好きですね。
ヘラクレスのメグと良い勝負のフェロモンまき散らし系女子です。
敵同士でも裏切りが起こり、最後にヘルガが「悪く思うなよ」返しの銃を放つシーンはフツーに胸アツ展開でした。
どうやら続編の構想でヘルガがサイボーグ化して再登場という計画はあったようですが、ボツになったみたいです。凄い見たい!
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このシーン、大好き |
もしアトランティスがヒットしていたらどうなっていたのか?
というわけで、僕的にはコルドロンの歴史的な大敗に対してのリベンジをアトランティスは果たせる可能性が充分あったポテンシャルを持つ作品だったように思えてなりません。
なので、最後にもしアトランティスがヒットしていたらどうなっていたか?を妄想したいと思います。
まずアトランティスはシリーズ化していて各キャラクターの掘り下げがされていたと思います。
モールの過去編(昔、好きだった恋人との悲恋)、ヴィニーの花屋経営編(花屋ビジネスで成り上がるサクセスストーリー)、オードリーの姉ちゃんのボクシング編(お父さんの入院費用を稼ぐ)、とかめっちゃ見たかったです。
また、ディズニー映画の引き出しも大幅に変わっていたのではないかと思います。
結局第三次黄金期もアナと雪の女王のような派手な音楽、ミュージカル&ロマンス的な作風に落ち着いてしまうわけですが
もしアトランティスが売れていれば、ディズニーが持ちうるアニメーション表現力を駆使して制作された大人向けの上質なアニメーション映画が沢山拝めたのかもしれません。
そして、自分たちで大人向けの作品が作れるからこそ、ピクサーやらマーベルの買収や、実写化によるマレフィセントの人格改変もしなくて良かったかもしれません。
そしてファストパスを有料化してプレミアアクセスを生み出し、僕みたいなファストパスの取り方の知識でマウント取っていた男の市場価値を無きものになどしなかったかもしれません。
そして世界から貧困や戦争が無くなり、少子高齢化などの社会問題も改善されて、一生僕が遊んで暮らせるようになっていたかもしれません!
僕が今、遊んで暮らせないのはアトランティスのせいです。
でも、そんなものは幻想で、僕たちはその幻想を今日も探し続けるのです。
そう、まるでアトランティスを探したマイロ達のように!(どん!)
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ちょっと強引な締めだったね。 |
ということで皆さんも一緒に今こそアトランティスを応援しましょう!
それでは毎回恒例の最後の1曲、といいたいところですが、
アトランティスは曲がありませんので、今回はラスト一番の見せ場の攻防シーンの動画にします!
そして次回はこの作品です!
以上終了また次回。
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