【ディズニー映画 感想】トレジャープラネット ~ヒットしなかった理由はただ一つ~

2025年6月2日月曜日

【ディズニー作品】【感想】

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本日は『トレジャープラネット』の感想を書いてまいります!
2002年公開の作品です。
監督は『リトルマーメイド』や『アラジン』の監督を務めた黄金期立役者コンビのジョン・マスカー&ロン・クレメンツ。

最初にこの作品の制作を構想したのは1985年まで遡るそうで、
満を持して暗黒期を終わらせに来た作品だったかに思われましたが、
興行収入大コケ、大赤字作品となったようです。


僕は原作の『宝島』の本が家の本棚にあって、最初の3ページだけ読んだことがあります。
どちらかというと似たような系統の作品でいうと『十五少年漂流記』の方が好みでした。宝島は読み進めることのない作品でした。

他のディズニー映画の感想が気になる方はこちら。




あらすじとしては、

問題児の少年ジム・ホーキンスは、ある日、宇宙海賊が遺した「トレジャープラネット(宝の惑星)」の地図を手に入れる。

学者のドップ博士やアメリア船長とともに宇宙船で旅立つが、乗組員の中には財宝を狙う海賊たちが潜んでいた。

中でもサイボーグのジョン・シルバーは、ジムにとって父のような存在となるが、彼もまた裏切り者だった。
葛藤と成長を経て、ジムは仲間たちとともに真の宝を見つけ出していく。


といった感じです。

さて、今回のトレジャープラネット。
まぁ普通に面白かったです。
ただ、興行的には失敗となり、人気のない作品となってしまいました。

私としては今作を鑑賞して、トレジャープラネットが当時ヒットしなかった理由がはっきり分かっております。

マーケティング?

違います。

ストーリー?

違います。


ずばり断言します。


髪型です。


主人公ジムホーキンスの髪型が
センター分けツーブロックだからです

お分かりだろうか?


別の角度から。きれいに刈り上げてますね。



というわけでセンター分けツーブロックだからです。(大事だから2回言いました。)


令和の今でこそ、そこらじゅうの男子がセンター分けツーブロックです。

ですが、この作品が公開された当時、どこにもセンター分けツーブロックの男子はいなかったです。

主人公の髪型をセンター分けツーブロックにするというのは、いくらなんでも早すぎたということです!

2002年といえば、流行っていた髪型は
ベッカムヘアです。

日韓W杯で大流行したね。

あとはウルフカットです。

襟足長いのが特徴

あとなんかツンツンさせてたね

それから坊主が剃りこみ入れたりとかもしてました。
バリアートというらしいです。

やたら線入れてたね

今電車で見かけたらクソダセェだろうなって思います。

でも流行りっていうのは不思議なもんで、その当時はとてもカッコよく見えるし、ウジャウジャいました。

つまり、逆に言えば当時の若者からしてみればジムホーキンスの髪型はクソダサかったに違いありません。

クソダサい髪型の主人公の作品を見に行こうとなるはずがありません。

従って、トレジャープラネットがヒットしなかった理由は
センター分けツーブロックだからです。

でも、もし今トレジャープラネットが公開されていたら爆発的に売れていたと思います。

なぜなら令和の今、流行っている髪型がセンター分けツーブロックだからです。

ということで今回私はなぜトレジャープラネットは主人公の髪型をこんな未来先取りスタイルにしてしまったのか?という点について考察していこうと思います。


本題に入る前に作品の感想


いや、普通に面白かったですよ!

今回、こちらの作品を字幕版と吹き替え版で鑑賞且つ、
原作は未読ですが、1950年に公開された『宝島』も鑑賞しました。

『宝島』を踏まえてみると宝島の良さを生かしながらも未来的な要素をしっかり付け加え現代的な作品に昇華していることがとてもよく分かります。


見どころその1 ソーラーボード

ジムがソーラーボードに乗って縦横無尽に飛び回る映像は男心をくすぐります。

バックトゥザフューチャーのホバーボードや名探偵コナンのターボエンジン付きスケボーよろしく、スケボーで駆け巡る映像はカッコいいですよね。

今作ではこのソーラーボードが脚本においても効果的に使われています。

序盤は不良の象徴のように扱われるのですが、
ラストはこのソーラーボードがピンチを救うという展開になります。

こういう展開は胸を熱くします。




見どころその2 ジョンシルバー

実写版宝島のジョンシルバーは最後まで結構海賊として振る舞う印象があり、
割とジムとシルバーの関係はカラっとした演出な印象があります。
(それがまた良いっていうことでもある)

トレジャープラネット版のジョンシルバーは本当にジムの父親代わりのような存在になっていき、しっかり熱い友情というか愛情のようなものが芽生えていく様子を見ることが出来ます。

ディズニー映画史における数少ないイケオジ枠に入ってくるキャラクターでした。
デザインにはやや言いたいことはあるが割愛

参考までに実写版のジョンシルバーも貼っておきます。


ちなみに、ジョンシルバーの吹替は若山弦蔵氏が務めていますが、若山氏は日本のテレビアニメで放映された1978年の『宝島』のジョンシルバー役も務めています。
こういう粋な抜擢はタレント声優ばかり起用しがちな現代においてとても好感を持てました。


というわけで本題に入ります!

なぜトレジャープラネットの主人公はセンター分けツーブロックなのか?



原作版ジムホーキンズに寄せた説


まずは原作のジムホーキンズがセンター分けツーブロックだったから、それに寄せたんじゃないかという説です。

というわけで、原作のジムホーキンズの髪型を見てみましょう。

最初に世の中にジムホーキンズのヴィジュアルが公開されたのは
1884年のアメリカのF.T.メリルがイラストを担当した版とのことなのですが、インターネットで見つけられたのはこちらでした。後ろ姿ですが多分こいつがジムです。

一番右にいるのがジムと予想
ちょっとセンター分けかどうかは判別できないですが、ツーブロックではなさそうです。


次は1894年からイギリスの雑誌『Chums』にて連載された宝島。
ジョージワイリーハッチソンという方が挿絵を担当した版のジムです。
横顔ですが多分こいつがジムです。

なんか腕握られているのがジムと予想
センター分けというよりはオールバックぽいです。少なくともツーブロックではなさそうです。


1911年にスクリブナーズ社が出版した宝島のニューエル・コンバース・ワイエス氏の挿絵を見てみましょう。
左側が多分ジムと予想
センター分けっぽい感じはしますが、いずれにせよツーブロックではなさそうです。
うーん、ちょっと挿絵でツーブロックは相当考えづらいですね。

大本命、1950年にディズニーが実写化した宝島のジムホーキンズ見てみましょう。

センター分けでもなければツーブロックでもありませんでした。

日本で放映された宝島はどうでしょうか。



逆にどういう髪型ですかこれ?


というわけで原作に寄せたわけではなさそうです。



モデルになった人物がセンター分けツーブロック説


ジムのデザインを担当したジョン・リパのジムのデザインにまつわる発言を調べてみるとなんとジョン・リパ氏はジムのデザインを考えるうえで
ジェームズ・ディーンやリヴァー・フェニックス、レオナルド・ディカプリオ、そして『ブレイブハート』のメル・ギブソンからインスピレーションを得たという発言がありました。

ということは彼らの中にセンター分けツーブロックがいたということでしょうか?

『ブレイブハート』のメル・ギブソンに至っては作品まで具体的に言ってますからね。こいつがもしやセンター分けツーブロックだったのでは?

とりあえず落ち着いてジェームズ・ディーン見てみましょう。


映画の不良少年の元祖みたいな俳優、ジェームズ・ディーンですが、これはもはやリーゼント風ですね。とてもじゃないけどセンター分けツーブロックではなさそうです。
多分、ジェームズ・ディーンに関しては表情などを参考にしたのではないかと予想します。


リバー・フェニックス見てみましょう。
スタンドバイミーで有名


かなりきれいなセンター分けに見えます。雰囲気もジムに似ているような気はしますね。

ていうかぶっちゃけイケメンすぎて髪型とかどうでも良くなりそうです。


ディカプリオ見てみましょうか。


こ、、これは。かなり近い気がしてならない・・・。

ツーブロックではなさそうだし、センター分けでもないけど、雰囲気はかなり近い。

ていうかイケメンすぎて髪型とかどうでも良くなりそうです。(2回目)


それでは大本命、『ブレイブハート』のメル・ギブソン見てみましょう。




なんか全然テイスト違うの来た。


ただ、ちょっとよく見てみてください。

刈りあがってる・・・?


ツーブロックですこれ!


ということで、どうやら結論がでました。

トレジャープラネットのデザインは70%クラシック、30%がSFという割合でデザインを固めていったということらしいのですが、これらを踏まえると70%がディカプリオやリバーフェニックスのセンター分け、30%がブレイブハートのメルギブソンの刈り上げということが言えそうです。

このデザインの割合については監督のロンクレメンツとジョンマスカーの方針として
「原作のロマン」と「未来のワクワク」を両立するためにあったとのことです。



そして、未来へ



2002年、ジムホーキンスの髪型はダサかったのですが
20年の時を経て今の男子のトレンドの髪型になりました。

つまり、ジョン・リパは未来に流行る髪型を完全に予測できていたということになります。

え。ジョン・リパさん、すごくない?

最近のジョン・リパ氏はどうやら監督業などがメインとなっており、
キャラデザインなどに携わる機会はジムホーキンス以降は全く無いようなのですが
もし、次にジョンリパがデザインを手掛けるキャラクターが現れたら
多分その時その瞬間はダサい可能性があります。
ですが、20年後を見据えたうえで受け入れましょう。

というわけで、トレジャープラネットがヒットしなかった理由である主人公の髪型について考察してみました。
もしかしたらトレジャープラネットは令和の今、公開していたら大ヒットしていた作品かもしれません。

是非皆さんも騙されたと思ってご視聴ください。


それでは最後に一曲。
本作にして唯一の劇中歌『I’m Still here』です。


そして次回はこの作品です!


以上終了また次回。

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