今日はディズニー暗黒期において燦然と輝くクソ映画として有名な『コルドロン(原題:The Black Cauldron)』を取り扱います!!
どんなクソ映画なんだろうと内心ドキドキしながら鑑賞しましたが、
見てみると何てことはない、何の変哲もないクソ映画でした。
公開は1985年、前作のきつねと猟犬が1981年ですから4年も間が空いていたことになりますね。
本作は最早ディズニー映画史においても若干無かったことにされている感があります。
ディズニー映画史上初のPG12指定となった作品だそうです。
ちなみにディズニー映画でお馴染みの一番最初にブルーバックでシンデレラ城にアーチがかかる奴が導入されたのもコルドロンが初めてです。
最近はCGでリニューアルされたけど。
私もこちらの作品は今日に至るまで未見でございました。
他のディズニー映画の感想が気になる方はこちら。
誰にだって失敗はあります。
ディズニーも決して万能ではありません。
なのにコルドロンについては調べれば調べるほどクソ映画という批判の嵐。
あんまりじゃないですか。。
確かにクソ映画ですけど、全員でよってたかってクソ映画と言ってしまったら
それはもうイジメです。
いじめダメ、絶対。
だから僕は今回、この記事ではクソ映画コルドロンをDISりません。
誰にだって良いところがあるようにクソ映画にも良いところはある!!
あらすじとしては
魔法の大坪コルドロンを使って不死身の兵士を蘇らせようとする悪の王ホーンドキング。ホーンドキングが狙うのは未来の予知ができる超能力を持つ豚ヘンウェン。
ヘンウェンを使ってコルドロンの在りかを探そうと企んでいる。
それを知ったドルベンはヘンウェンをホーンドキングの魔の手から守るよう弟子のターランに託す。
豚の世話ばかりの日常に飽き飽きしていたターランは遂に夢見た憧れの騎士になれると意気揚々と出かけるが・・・・。
といった感じのお話です。
さて、この作品の良いところですが、それはずばり!
本作の主要な登場人物は以下の通りとなります。
・ターラン
主人公。豚の世話係という冴えない日常に飽き飽きしており、いつか勇者になる未来へ思いを馳せている。
・エロウィー
お姫様。魔法が使える。その魔法を使ってコルドロンを見つけようと企むホーンドキングに捕らえられている。
・フルーダー
老いた吟遊詩人。うっかりホーンドキングの城に迷い込み捕らえられてしまう。
・ヘンウェン
ターランの師匠であるドルベンに大切に匿われている子豚。未来を予測して水面に映し出す超能力を有しており、ホーンドキングに狙われている。
・ガーギ
未確認生命体。
・ホーンドキング
本作のヴィラン。コルドロンを使って死んだ兵士を蘇らせようとしている。
とまぁざっくりこんな感じ。
どの辺がミステリアスなのかということで一人一人説明していきましょう。
まずエロウィー姫。超ミステリアスです。
魔法が使えるからホーンドキングに捕らえられたそうですが
使える魔法が不明です。
光る玉を操れるらしいのですが、どういう風に操れるのか
全く明かされません。
つまりラストまでこの姫はどんな魔法を使ってくれるんだろう??という興味の持続がキープされ、そして最後まで明かされません。
エロウィー姫が脱獄してもホーンドキングも一切魔法に触れないということは
おそらく全く使い物にならな(ry
ミステリアス!!
ハンターハンターのノブナガの念能力に通ずるものがあります。
お次は吟遊詩人のフルーダー。
本作におけるユーモア担当でしょうか。
何も出来なそうな感じが最初から半端無いですが
本当に最後まで何も出来ないまま終わるマジでただの爺さんです。
ミステリアス!!
それからガーギ。
未確認生命体です。お前何類何科の生き物やねん!
ミステリアス!!
そして子豚のヘンウェン。
序盤は主にこの豚の争奪戦が中心なのですが
終盤になるにつれて何とビックリ。
主人公たちもホーンドキングもヘンウェンほったらかしでコルドロンにたどり着いちゃいます。
ヘンウェンはラストシーンで登場しますがどうやら単身家に帰っている模様。
お前そんなに一人で行動できるんかい!
何というミスリード!!!
ミステリアス!!
そしてホーンドキング。
見た目めっちゃ怖いです。ただ彼が何をしたいのか目的が今いちわかりません。
コルドロンを使って死んだ兵士を生き返らせて世界を征服したそうな感じはしますが
世界を征服してどうしたいのかがよくわかりません。
今まで登場してきたディズニーヴィランズは概ね目的はありました。
白雪姫の女王は「世界で一番美しくなる為に」白雪姫を殺害しようと企み、
眠れる森の美女のマレフィセントは「王女の誕生パーティに呼ばれなかった腹いせをする為に」オーロラ姫に呪いをかけ、
101匹わんちゃんのクルエラデビルは「ダルメシアンの毛皮のコートを作りたい為に」犬の誘拐をしました。
王様の剣のマダムミムに至っては「人を怖がらせたい」がために不気味な魔法を使いまくります。
(こうして見ると全員、頭のネジ飛んでるな・・・)
ただ、ホーンドキングは何したいのかがよく分かりません。
怖そうなうめき声「うぅうう・・・」みたいなのを終始発しつつも
目的が見えてこない。
ミステリアス!!
そして最後に主人公ターラン。
・・・・えーと、大学でテニスサークルとかにいそうです。
多分、エロウィー姫が勝気な性格なので結婚したら確実に尻に敷かれるに違いありません。
普通!!
・・・・・・・・と、ここまで書いて皮肉が過ぎることに気が付きました。。
すみません、めっちゃDISってました。
この路線で最後まで書くのはきついのでちょっと路線変更しますね。
まぁ最初から最後までこんな調子で
ストーリーは粗だらけ、キャラの描きこみは浅すぎるといった感じなのですが、
果たしてなんでこんなことになったんでしょうか?
ちょっとだけ僕なりの仮説を考えてみました。
この作品、1971年から制作を始めたらしいんですが
制作が始まった当初は「次世代の白雪姫」としてかなりの熱意を持って
進められたといわれています。
ディズニー初のPG12指定という結果も、
長い暗黒期によって去っていった観客たちを取り戻すために
大きな路線変更を図ろうとした挑戦によるものではないか?
そんな風に思えます。
しかしながら、10年以上の歳月が制作開始から公開されるまでにかかっていたと。
で、この10年間の間にディズニーに2つの事件が起きます。
1.当時のディズニーでスターアニメーターであるドン・ブルースが当時の経営者であるロン・ミラーの制作方針に反発して退社。更にその他10名ものアニメーターがブルースに付いていき、別のアニメプロダクションを設立。
2.本作の製作総指揮としてクレジットされているロン・ミラーも実は公開1年前にディズニーを失脚。代わりにかの有名なマイケル・アイズナーが経営者として就任。同時にジェフリー・カッツェンバーグが映画部門の責任者に就任。
まず1の事件が起きたことでロン・ミラーはその時まだスタジオに残っていたアニメーターのジョー・ハイルに本作の制作を委ねます。
しかし、完成したころにはロン・ミラーはもうディズニーから失脚させられていました。
そして、
ロン・ミラー失脚後、公開予定の数か月前に
コルドロンを見たカッツェンバーグが作品から10分以上のシーンのカットを
ジョー・ハイルに要求。
ハイルが反発すると何とカッツェンバーグが自ら勝手に作品から不要だとするシーンをカットしたそうなのです。
その後、大慌てで不自然な部分を描きなおしたそうなのですが
結果としてチグハグな作品になったのは言うまでもありません。
そしてカットした当のカッツェンバーグは本作のクレジットにおいて
どこを探しても見当たりません。
前任者にすべてを押し付け、次の作品に注力したということです。
アイズナーとカッツェンバーグは、ディズニーの歴史において
後に起こるディズニールネサンス(リトルマーメイドから始まり、美女と野獣やアラジンなどディズニーが再びアニメ界の頂点に立つ時代)の立役者として名を刻みますが
その踏み台として、政権交代の象徴として、前任者の失態という形にするために
このコルドロンは犠牲になったのではないか?
そんな仮説・・・・
「次世代の白雪姫」となるはずが、まさかのディズニー最大の失敗作として
歴史に残る形となった『コルドロン 』
確かにどっからどう見てもクソ映画ではありましたが、
そこに至るまでの歴史を踏まえて見てみると味わい深い作品にも見えてくる・・・
かもしれません。
カットした張本人のカッツェンバーグも後にディズニーを離れ
シュレックをはじめとしたアンチディズニー作品を連発するというのがまた面白いですね。
というわけで、コルドロン!
シンプルにただつまらない映画として見ても本当につまらないので
歴史に思いを馳せながら、そのクソさを大いに笑い飛ばして見てあげましょう!!
それでは今回も毎回恒例の音楽、といきたいところですが
本作は何とBGM以外で音楽が流れません。
なので、せっかくですから例のカットされたシーンを紹介します。
このシーンがあるのとないのとではなるほど確かに見た人の感想は変わるかもしれません。
兵士が溶けるシーンが本編ではごっそりカットされております!
そして次回はこの作品です!
以上終了また次回。
ディズニーも決して万能ではありません。
なのにコルドロンについては調べれば調べるほどクソ映画という批判の嵐。
あんまりじゃないですか。。
確かにクソ映画ですけど、全員でよってたかってクソ映画と言ってしまったら
それはもうイジメです。
いじめダメ、絶対。
だから僕は今回、この記事ではクソ映画コルドロンをDISりません。
誰にだって良いところがあるようにクソ映画にも良いところはある!!
あらすじとしては
魔法の大坪コルドロンを使って不死身の兵士を蘇らせようとする悪の王ホーンドキング。ホーンドキングが狙うのは未来の予知ができる超能力を持つ豚ヘンウェン。
ヘンウェンを使ってコルドロンの在りかを探そうと企んでいる。
それを知ったドルベンはヘンウェンをホーンドキングの魔の手から守るよう弟子のターランに託す。
豚の世話ばかりの日常に飽き飽きしていたターランは遂に夢見た憧れの騎士になれると意気揚々と出かけるが・・・・。
といった感じのお話です。
さて、この作品の良いところですが、それはずばり!
ミステリアスなキャラクターが沢山登場!!
本作の主要な登場人物は以下の通りとなります。
・ターラン
主人公。豚の世話係という冴えない日常に飽き飽きしており、いつか勇者になる未来へ思いを馳せている。
・エロウィー
お姫様。魔法が使える。その魔法を使ってコルドロンを見つけようと企むホーンドキングに捕らえられている。
・フルーダー
老いた吟遊詩人。うっかりホーンドキングの城に迷い込み捕らえられてしまう。
・ヘンウェン
ターランの師匠であるドルベンに大切に匿われている子豚。未来を予測して水面に映し出す超能力を有しており、ホーンドキングに狙われている。
・ガーギ
未確認生命体。
・ホーンドキング
本作のヴィラン。コルドロンを使って死んだ兵士を蘇らせようとしている。
とまぁざっくりこんな感じ。
どの辺がミステリアスなのかということで一人一人説明していきましょう。
まずエロウィー姫。超ミステリアスです。
魔法が使えるからホーンドキングに捕らえられたそうですが
使える魔法が不明です。
光る玉を操れるらしいのですが、どういう風に操れるのか
全く明かされません。
つまりラストまでこの姫はどんな魔法を使ってくれるんだろう??という興味の持続がキープされ、そして最後まで明かされません。
エロウィー姫が脱獄してもホーンドキングも一切魔法に触れないということは
おそらく全く使い物にならな(ry
ミステリアス!!
ハンターハンターのノブナガの念能力に通ずるものがあります。
つーかこれが限界。。。なのか?? |
お次は吟遊詩人のフルーダー。
本作におけるユーモア担当でしょうか。
何も出来なそうな感じが最初から半端無いですが
本当に最後まで何も出来ないまま終わるマジでただの爺さんです。
ミステリアス!!
ハープもろくに使わない爺さん |
それからガーギ。
未確認生命体です。お前何類何科の生き物やねん!
ミステリアス!!
未確認生命体です。 |
そして子豚のヘンウェン。
序盤は主にこの豚の争奪戦が中心なのですが
終盤になるにつれて何とビックリ。
主人公たちもホーンドキングもヘンウェンほったらかしでコルドロンにたどり着いちゃいます。
ヘンウェンはラストシーンで登場しますがどうやら単身家に帰っている模様。
お前そんなに一人で行動できるんかい!
何というミスリード!!!
ミステリアス!!
お前、なんやったんや・・・ |
そしてホーンドキング。
見た目めっちゃ怖いです。ただ彼が何をしたいのか目的が今いちわかりません。
コルドロンを使って死んだ兵士を生き返らせて世界を征服したそうな感じはしますが
世界を征服してどうしたいのかがよくわかりません。
今まで登場してきたディズニーヴィランズは概ね目的はありました。
白雪姫の女王は「世界で一番美しくなる為に」白雪姫を殺害しようと企み、
眠れる森の美女のマレフィセントは「王女の誕生パーティに呼ばれなかった腹いせをする為に」オーロラ姫に呪いをかけ、
101匹わんちゃんのクルエラデビルは「ダルメシアンの毛皮のコートを作りたい為に」犬の誘拐をしました。
王様の剣のマダムミムに至っては「人を怖がらせたい」がために不気味な魔法を使いまくります。
(こうして見ると全員、頭のネジ飛んでるな・・・)
ただ、ホーンドキングは何したいのかがよく分かりません。
怖そうなうめき声「うぅうう・・・」みたいなのを終始発しつつも
目的が見えてこない。
ミステリアス!!
見た目は怖い。 |
そして最後に主人公ターラン。
・・・・えーと、大学でテニスサークルとかにいそうです。
多分、エロウィー姫が勝気な性格なので結婚したら確実に尻に敷かれるに違いありません。
普通!!
大学卒業後は信用金庫とかで働いてそう。 |
・・・・・・・・と、ここまで書いて皮肉が過ぎることに気が付きました。。
すみません、めっちゃDISってました。
この路線で最後まで書くのはきついのでちょっと路線変更しますね。
まぁ最初から最後までこんな調子で
ストーリーは粗だらけ、キャラの描きこみは浅すぎるといった感じなのですが、
果たしてなんでこんなことになったんでしょうか?
ちょっとだけ僕なりの仮説を考えてみました。
ターランと似たような冴えない主人公ワートや頭狂ったマダムミムが登場する『王様の剣』の感想はこちらです。
政権交代の象徴として使われた?
この作品、1971年から制作を始めたらしいんですが
制作が始まった当初は「次世代の白雪姫」としてかなりの熱意を持って
進められたといわれています。
ディズニー初のPG12指定という結果も、
長い暗黒期によって去っていった観客たちを取り戻すために
大きな路線変更を図ろうとした挑戦によるものではないか?
そんな風に思えます。
しかしながら、10年以上の歳月が制作開始から公開されるまでにかかっていたと。
で、この10年間の間にディズニーに2つの事件が起きます。
1.当時のディズニーでスターアニメーターであるドン・ブルースが当時の経営者であるロン・ミラーの制作方針に反発して退社。更にその他10名ものアニメーターがブルースに付いていき、別のアニメプロダクションを設立。
2.本作の製作総指揮としてクレジットされているロン・ミラーも実は公開1年前にディズニーを失脚。代わりにかの有名なマイケル・アイズナーが経営者として就任。同時にジェフリー・カッツェンバーグが映画部門の責任者に就任。
まず1の事件が起きたことでロン・ミラーはその時まだスタジオに残っていたアニメーターのジョー・ハイルに本作の制作を委ねます。
しかし、完成したころにはロン・ミラーはもうディズニーから失脚させられていました。
そして、
ロン・ミラー失脚後、公開予定の数か月前に
コルドロンを見たカッツェンバーグが作品から10分以上のシーンのカットを
ジョー・ハイルに要求。
ハイルが反発すると何とカッツェンバーグが自ら勝手に作品から不要だとするシーンをカットしたそうなのです。
その後、大慌てで不自然な部分を描きなおしたそうなのですが
結果としてチグハグな作品になったのは言うまでもありません。
そしてカットした当のカッツェンバーグは本作のクレジットにおいて
どこを探しても見当たりません。
前任者にすべてを押し付け、次の作品に注力したということです。
アイズナーとカッツェンバーグは、ディズニーの歴史において
後に起こるディズニールネサンス(リトルマーメイドから始まり、美女と野獣やアラジンなどディズニーが再びアニメ界の頂点に立つ時代)の立役者として名を刻みますが
その踏み台として、政権交代の象徴として、前任者の失態という形にするために
このコルドロンは犠牲になったのではないか?
そんな仮説・・・・
「次世代の白雪姫」となるはずが、まさかのディズニー最大の失敗作として
歴史に残る形となった『コルドロン 』
確かにどっからどう見てもクソ映画ではありましたが、
そこに至るまでの歴史を踏まえて見てみると味わい深い作品にも見えてくる・・・
かもしれません。
カットした張本人のカッツェンバーグも後にディズニーを離れ
シュレックをはじめとしたアンチディズニー作品を連発するというのがまた面白いですね。
コルドロン制作陣が目指した『白雪姫』の感想記事はこちら。
というわけで、コルドロン!
シンプルにただつまらない映画として見ても本当につまらないので
歴史に思いを馳せながら、そのクソさを大いに笑い飛ばして見てあげましょう!!
それでは今回も毎回恒例の音楽、といきたいところですが
本作は何とBGM以外で音楽が流れません。
なので、せっかくですから例のカットされたシーンを紹介します。
このシーンがあるのとないのとではなるほど確かに見た人の感想は変わるかもしれません。
兵士が溶けるシーンが本編ではごっそりカットされております!
そして次回はこの作品です!
原作の冒頭部分(第1章)を映像化する時点で、既にアウトな感じですよね。ホーンドキングも原作小説ではチョイ役ですし
返信削除コメントありがとうございます!
削除blogでディズニー作品取り扱われているようで以前拝見させて頂きました!これからも楽しみにしてます!
そのようですね、、
なんとなくヒットしたらシリーズ化を目論んでいたのではないか?という推測もしたのですが
今となってはそれも分からないですね。。
このコメントは投稿者によって削除されました。
削除このコメントは投稿者によって削除されました。
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