【ディズニー映画 感想】ライオン・キング ~ジャングル大帝盗作論争に終止符を~

2021年1月3日日曜日

【ディズニー作品】【感想】

t f B! P L

ナァーーーー!!!!
イサインァアアァ!!!
ババギィチババァあああ嗚呼嗚呼!!!!


はい。ということで今日はライオンキングについて書いてゆきたいと思います!!! 
原題は『The Lion King』、公開は1994年です。
ディズニー第二期黄金期の代表作の一つに数えられると共に、
当時のアニメ映画史上で最高の興行収入に到達します。(現在も歴代3位。)
第二期黄金期のまさに頂点的な立ち位置の作品ではないでしょうか。
次作のポカホンタス以降、緩やかに下降線を辿っていきます。



僕にとってのライオンキングですが、公開当時から母親がライオンキングを嫌っていた為、
それにつられて「僕も嫌い!」ってな具合に好んで見る作品には至りませんでした。
が、学校では糞ほど流行ってて教室で流れるもんだから嫌でも見ざるを得ない。っていう社会現象みたいな映画だったと思います。
個人的にはスピンオフ作品の『ティモンとプンバァ / 地球まるかじりの旅』で「stand by me」を生まれて初めて聞いて衝撃を受けた記憶が一番色濃いです。
Youtube貼っておきます。


あ、何故母親がライオンキングを嫌っていたのか、という
一見他人からすると死ぬほどどうでも良い理由については後ほど触れます。

他のディズニー映画の感想が気になる方はこちら。



では、あらすじを書きます。
ナァーーーー!!!!
イサインァアアァ!!!
ババギィチババァあああ嗚呼嗚呼!!!!

といったお話です。

補足としては、
プライド・ランドの王であるムファサに、後継となる息子のシンバが誕生する。
シンバは王子として伸び伸びと成長していくが、その王位を狙うムファサの弟スカーの策略によりムファサは殺されシンバも命を狙われる。
なんとか逃げ出したシンバだが父の死を自分の責任として重く受け止め、
王子としての人生を捨て、新しい価値観に触れながら成長していく。
一方、故郷プライド・ランドはスカーの支配により荒廃していく・・・。

といったお話です。

ナァーーーー!!!!
イサインァアアァ!!!
ババギィチババァあああ嗚呼嗚呼!!!!

もう良いですね。すみませんでした。

というわけで、ライオンキングなんですが、
早速母親が嫌っていた理由を説明します。
これは公開当時の予告をテレビで見ていた母親が言い放った一言を
再現すれば説明がつくと思います。

母「これ、ジャングル大帝のパクリじゃん

ライオンキングはジャングル大帝の盗作疑惑の話がどうしたって付き纏います。

なので今回は

あれはパクリだ!

いや、あれはパクリじゃない!

といった論争に僕が終止符を打ちたいと思います。

題して

ライオンキングのジャングル大帝盗作論争に終止符を打つ!


ちなみに、ちょっと卑怯なこと言うようですが
先に僕のスタンスを書いておくと正直どうでも良いです。
だって面白かったから。
アニメだよ、だって。良いじゃん面白けりゃ。
っていう。

なんですけど、いや、だからこそ、こんな不毛な論争は終わらせてしまいたい!俺の手で!
と思い、このテーマで書くことにしました。

ところで、本題に入る前に、
そもそもパクったパクってない以前の話として作品単体としての感想を書きますと

そりゃ面白いに決まってんだろ!!

です。

まぁ第二期黄金期特有の映像と音楽の力でドン!ドン!ドーン!みたいなやり口は
流石にそろそろ胃もたれしそうな感じではありますが。本作の場合はノッケから

ナァーーーー!!!!
イサインァアアァ!!!
ババギィチババァあああ嗚呼嗚呼!!!!
ですからね。


とりあえず、個人的に好きな点を挙げておきましょう。


好きな場面

ラフィキとシンバが再会して、プライドランドへの帰還を決意するシーンが好きです。

分かるような分からないようなラフィキの受け答えに戸惑いながらも少しずつ自分のなかで腹落ちしていき、帰ると決めて走り出すシンバ、雄たけびを上げるラフィキ、バックで流れる神聖な雰囲気の音楽。
ここの会話のテンポの良さは気持ちが良く、何度も見たくなる場面です。


好きなキャラクター

ハイエナ3人組のシェンジ、バンザイ、エドがすごく好きです。

左からバンザイ、シェンジ、エド

典型的な海外アニメのアホなトリオって感じなのに最後にいきなりスカーを裏切るところとか最高ですね。ギャップ萌えです。

あと、三人の中で特にエド。喋れない間抜けなキャラはディズニーにちょいちょい出てくるタイプですね。白雪姫のおとぼけ、ピノキオのギデオンが元祖かな。

ちなみにシェンジの声優はウーピーゴールドバーグが務めています。これに倣い、吹き替え版では普段からウーピーゴールドバーグの担当をしている片岡富枝さんが務めました。


好きな曲

本作はアランメンケンではなくハンスジマーが音楽を担当。
また、エルトンジョンも作曲として加わる豪華布陣となっています。
個人的には『早く王様になりたい』を聞くとフィルハーマジックを思い出して
はぁー、ディズニー行きてぇ。。となります。ため息が出ます。
ディズニー行きたくなるとため息が出る現象なんなんすかね。
でもフィルハーって早く王様になりたいが流れる前にファンタジアの場面で
水しぶきを前方から浴びるギミックがあるせいで、
王様になりたいを聞いている間も、また水でないかなー、でないよねー、出るのー出ないのー出ないんかい!
みたいな葛藤を抱えながら聞いてる記憶があります。(全然映画関係ねぇ)



というわけで、基本的には凄い好きで楽しい作品だったわけですが
ちょいちょい気になるところがチラホラあるわけですね。

で、その気になるところが何なのかっていう話をしていくと
僕個人の"本題における結論"とも繋がってくるので、この辺で本題に入りたいと思います。

本題に入るにあたり、ライオンキングがジャングル大帝のパクリと言われるのは何故なのかということから説明したいと思います。


ジャングル大帝盗作騒動とは

まず、どの辺がパクってるのかどうか、ということについて。
これは説明するより、めちゃくちゃ丁度いい動画があるので、そちらをご覧いただくと良いかも。7分くらいの動画なのですが最初の1分ぐらい見ればなんとなく分かるかと思います。


めちゃ糞似てるやんけ!!!


というわけで公開後、盗作騒動になります。

制作サイドの主張としては
「『ジャングル大帝』を知らなかった、類似している点は偶然の一致」と答えたそうです。

ただ、シンバを務めた声優は最初に作品を見たときに自分はジャングル大帝の主人公の役をやるのだと勘違いしたようですし、制作陣の数名は制作中にも類似点について話に出たというコメントが展開されています。

これに対して日本の漫画家である里中満智子氏を筆頭に数多くの漫画家が異議を唱える署名運動を行ったそうですが、当の手塚プロダクションが訴えない旨の声明を出したことで沈静化しました。

ライオンキングの違和感

盗作騒動に関する僕の考えを述べる前に、前述した"ちょっと気になる点"を説明します。
この気になる点が僕の盗作騒動に対する考えと関連してゆきます。

1.内容が第二次黄金期の作品群の割に古臭い

リトルマーメイド以降散々自由だなんだと謳っていて、
男女の関係もフラットに描く流れだったにも関わらず、
急に男性の縦社会のような物語となっており古臭いです。
シンバも主体的な夢などが一切なく、白雪姫やシンデレラのレベルの葛藤に留まっているように見えます。

冒頭のムファサのセリフとかも気になります。
幼いシンバがムファサにじゃれながら起こそうとしている時に
奥さんから「あなたの子よ」と言われるのですが
それに対して
ムファサ「夜明けまでは君の息子だ」
って明け方早々の夜泣き対応放棄宣言。

これ今だったら女性陣から袋叩きにあいますよね?
嫁に実家に帰らせてもらいますと言われること必至ではないでしょうか。

今時許されない関白宣言

2.ディズニーのオリジナル曲ではない『ライオンは寝ている』をティモンが歌う場面がある

ティモンとプンバァが劇中で『ライオンは寝ている』を歌いだす場面があるのですが、
これ最初に聞いたときに、あれ、この曲ってディズニーの曲なんだっけ?
と思って思わず調べちゃいました。
珍しいんですよね、ディズニーが長編映画で自作以外の曲を流すって。
ていうか見たことないかもしれない。
で、これ実はジャングル大帝と同じように公開後に無断使用だったことが分かって、権利問題で揉めた?らしく。
Netflixでもそれに関するドキュメンタリーが公開されているようです。


3.劇中でオナラやゲップが流れる

ディズニーで、こういう描写もこれまで見たことは無いです。
ディズニー映画史において劇中でオナラしたのはプンバァだけらしい。
ハクナ・マタタも大概にしとけよ。

臭いのこと真剣に悩んでないだろこいつ


といった具合に違和感が随所に存在する作品なんですね。
で、ジャングル大帝と少なくともキャラクターデザインが似まくってる点も含めて
何でこうなったのか?、という話で、
ここから僕なりに仮説を立ててみました。


こんなに売れると思って作ってなかった説


ライオンキングの制作が始まった当時、
同時進行でポカホンタスの制作が行われていました。
そして、ディズニーのスターアニメーターは皆「ポカホンタス作りたい!」
となったらしく、ライオンキングは当時のディズニースタジオにおける
キャラクターデザインの監督を殆ど経験したことのない
"二軍のスタッフ陣"で作られたといわれています。


また、構想当時、カッツェンバーグは『リトルマーメイド』の監督コンビに『ライオン・キング』の監督の要請をするも『アラジン』を選ばれます。そして制作当初は『オリバー ニューヨーク子猫物語』の監督だったジョージスクリブナーが『ライオン・キング』の監督を務める方向で話が進んでいたそうなのですが、
意見の対立が生じたことでプロジェクトを去ることになります。

その後、前述した「ジャングル大帝を知らない」と発言したロブミンコフが交代する形で
監督を務めることになりました。ロブミンコフもそれまで長編の監督を務めたことの無い方です。

そこから、脚本は二転三転を繰り返し、最終的に18人のストーリーライターがクレジットされたそうです。

つまり整理すると『ライオン・キング』は、
ディズニーの制作スタジオのアニメーター達から人気が出ず、
その結果未熟なアニメーターが揃い、
監督も長編アニメが初めてという状況下で、
シナリオもコロコロ変わるという環境下で、
制作が進んだということです。

その結果、前述したとおりの違和感が散見されるような
脇の甘さも見える作りになったのではないかと。。

アニメーターからすると
どうせ俺らが作るライオンキング、売れないっしょ。。
なんか脚本もコロコロ変わるし。。
あ、ジャングル大帝のキャラデザめっちゃ良いじゃん!参考にしよ!
お、ライオンキングだし、ライオンは寝ている歌わせてみよ!
よし、屁こかせよう!

みたいなノリで製作が進んだのかもしれません。

しかし、結果として爆発的な大ヒット。

ポカホンタスはそんなに売れず。
ポカホンタスのスタッフ陣含めディズニーサイドは全員
マジかよ。
って思ったかもしれません・・・。


Circle of Lifeと火の鳥

ここまで読んで、おい、結局パクってるってことになっとるやんけ。
と思っている方も多いかもしれません。

が、ここまではあくまでライオン・キングの制作状況を踏まえた仮説を書かせて頂きました。

より長いアニメの歴史に視座を上げて考えてみるとまた別の仮説が浮上してきましたので
そちらをご紹介して、本テーマの結論とさせていただきます。

さて、前述したとおり、公開当時に勃発した盗作論争は、手塚プロダクションが訴えない旨の声明を出したことで一旦落ち着くこととなりますが、その際に手塚プロダクションが発表した内容は以下の通りでした。

「もしディズニーがジャングル大帝からヒントを得たのであれば手塚治虫は喜ぶでしょう


以前、バンビの記事を書いたときに触れましたが
手塚治虫はそれこそジャングル大帝を連載していた当時に日本で公開されたバンビを
100回以上映画館に通って見たという逸話があります。


既に連載は始まっていたとはいえ、
ジャングル大帝の作画において手塚治虫自身、大いなる影響を受けたのではないでしょうか。

そしてジャングル大帝が終わってから数年の時を経て、
手塚治虫が愛してやまなかったディズニーがジャングル大帝と限りなく似た作画の
ライオン・キングを公開する。

そして開始早々に流れる音楽は
ナァーーーー!!!!
イサインァアアァ!!!
ババギィチババァあああ嗚呼嗚呼!!!!

でお馴染みの『Circle of Life』です。
意味を直訳すると生命の輪。
これはまさに手塚作品において手塚治虫のライフワークとなった『火の鳥』が
全編通して紡いでいくメッセージなんですよ。
そしてこの『火の鳥』は確実にバンビのメッセージを参考にしているはず!

つまり、一見、ライオンキングの内容からすると
この曲は食物連鎖的な意味合いに受け取られがちですが、
これが意味するのはアニメーター、漫画家のDNAのことなのではないでしょうか。

ディズニーから手塚へ、そしてまた手塚からディズニーへ。。

つまり盗作とかではなく、アニメとはCircle of Lifeである、ということを
ライオンキングは伝えたかったのです。(かもしれません、知りません。)

見上げたら火の鳥がいるかもしれません



では、最後に一曲。
ナァーーーー!!!!
イサインァアアァ!!!
ババギィチババァあああ嗚呼嗚呼!!!!



そして次回はこの作品です!




以上終了また次回。

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