【ディズニー映画 感想】アラジン ~羽賀研二じゃないじゃん~

2021年1月1日金曜日

【ディズニー作品】【感想】

t f B! P L

今日は皆大好きアラジンについて書くよ!!!!!!
公開は1992年、原題『Aladdin』、当時のアメリカでの年間ビデオ販売数は歴代1位!
主題歌のホールニューワールドはアカデミー賞最優秀主題歌賞受賞&グラミー賞の最優秀楽曲賞(ディズニー映画史上唯一)受賞!!!
ディズニーのなかでこの作品が一番好きって言っている人の数第一位!!!(俺調べ)
子供と一緒に安心して見れる映画部門第一位!!!(俺調べ)
好きな女の子と見に行った帰りに告白して成功した映画部門第一位!!!(俺調べ)
そのままホテルに持ち込めた映画部門第一位!!!(俺調べ)
でもワンナイトで終わった映画部門第一位!!!(俺調べ)


そんな作品について書きます。
※DHCのコマーシャルをイメージしてみました。





アラジンは僕が小学生に入るか入らないかぐらいの時期に公開されました。
ジャスミンがジャファーにキスするシーンを見て、好きでもない男にキスできる女性がこの世に存在することに衝撃を受けた記憶があります。
小学生にして、貞操観念なんてものは世の男性が生み出した勝手な幻想に過ぎないということを悟りました。


他のディズニー映画の感想が気になる方はこちら。




あらすじとしては、
アグラバーに住む青年アラジンは貧しい暮らしからいつか抜け出して
自由を得ることを夢見つつ泥棒をする日々を送っていた。
一方アグラバーの姫ジャスミンは、規則ばかりの城での暮らしに疲れ、
自由を得ることを夢見て城から抜け出そうとする。
そんな二人と「二人の自由に対する夢」が交錯しようとする裏で、
アグラバー城の大臣ジャファーの計画が秘密裏に進んでいた・・・。


みたいな内容です。

久しぶりにBlue-rayで鑑賞して最初に浮かんだ感想はこちらです。

羽賀研二じゃないじゃん!!!!!


アラジンの軟派な感じとかが羽賀研二にすごくマッチしてたと思うんですね。
なので今日は羽賀研二が如何にアラジンの声優として優れていたかについて
書いてやろうかと思いましたが流石に研二で1本書ききるのは無理がありました。

研二ごめん。

アラジンばりにイケメン。
アラジンばりにイケメン


次に浮かんだ感想はこちらです。

完成度が高すぎる!!!

数多い、ディズニー映画作品群の中で『アラジン』ほど
ディズニー映画に求められる要素を全て押さえて
1つの作品として起承転結を綺麗に整えた作品は無いのではないでしょうか。

なので今回は珍しく真正面から

『アラジン』という映画の完成度の高さについて考察する

というテーマで書いていきたいと思います。


ディズニー映画に求められる要素とは?

先ず前提として、
先ほど"『アラジン』はディズニー映画に求められる要素を全て押さえている"と書きましたが
では、ディズニー映画に求められる要素とは何が挙げられるのか?
という点を僕なりに考えていきたいと思います。

僕は映画の完成度は以下の公式で判断できると考えます。

脚本 × 登場人物 × その他要素


この公式において掛け合わさっている3つのそれぞれの魅力が高ければ高いだけ
良い映画作品と言えるのではないかと考えるわけです。

なうえでこの1つずつの要素に対してディズニーにおける
良さというものが乗っかってくるイメージです。

1つずつの要素におけるディズニーらしさについて更に少し深堀していきます。

まず、脚本ですが、ディズニー映画の脚本の最大公約数を整理すると
以下のようになるのではないかと思います。

夢に対する憧れをもった主人公が、
素敵な異性や仲間と愛情や友情を育み、
一方で夢や愛や希望を否定しようとする悪と対峙し、
魔法の力を借りながら、
成長し、
夢や愛や友情を勝ち取りハッピーエンドを迎える。

これを要素だけ抜き取って分解すると
夢、恋愛、友情、悪、魔法、成長、ハッピーエンド

となり、この各要素が満たせている且つ自然に掛け合わさっているかどうかが完成度に影響を及ぼします。


そして、この脚本の要素を満たすために登場人物に役割が与えられていきます。
これが2つ目の脚本を支える登場人物ということになりますが、
僕は以下のような役割分担がディズニー映画の最大公約数と考えます。

共感性の高い夢に強い憧れを抱く主人公
主人公が憧れ、愛情の対象となる魅力的な異性
主人公を支えるお茶目だけど心強い友情の対象となる仲間
人間味があり、主人公の成長を促す魔法使い
主人公の夢や愛を阻むスタイリッシュな悪役
コメディリリーフを担う悪役の手下

この役割分担がきっちり行われており、
各キャラクターの個性がユニークであればあるほど、完成度が高くなります。


そして、ディズニーに求められる要素の3つ目の階層である登場人物の動きを支える為のその他の要素としては

高度なアニメーション技術と音楽


になるのかなと考えます。

アラジンに関してはこの3要素全てをディズニー映画に求められるラインに対して
しっかりクリアしてきていてそれらが上手く掛け合わさっている為、
完成度が高いといえるのではないかと思います。

では、これまで挙げた3つの要素に対してアラジンが
如何に上手くクリアしているのかについて考察していきます。


1.脚本

前述した脚本を構成する要素について、
アラジンの優れている点を浮かび上がらせていきたいと思います。


こちらは物語の最も軸となる要素の1つと言えるかと思います。
第一期黄金期の作品群でいえば「素敵な王子様に出会える」とかが代表的です。
これが第二期黄金期になるとフェミニズムの潮流を意識したのか
恋愛ではないものを夢見るようになりました。
アリエルと野獣でいうと、人間になりたがります。

こう書くと妖怪人間ベムみたいですね。

まぁ本質的には、アリエルの場合は父の束縛からの解放、野獣は魔女からかけられた呪いからの解放=自由 という夢を持っているといえるかと思います。

で、『アラジン』もリトルマーメイドや美女と野獣と同じく、"自由"という夢が軸となります。
そして『アラジン』の特異な点としては過去作だと主人公の夢を単一の軸として描かれることが多かった印象ですが、
『アラジン』ではアラジン、ジャスミン、ジーニーという3人の登場人物が
それぞれ表現は違えど「自由」を求めています。
3者の夢が共通して自由となっており、
この要素単体の中で更に掛け算が発生しているのです。

早く人間になりたーい


恋愛

『アラジン』は遂に王子が単独の主人公となりました。
ディズニー映画において冷遇され続けた王子の大出世です。
一方でジャスミンの内面描写もしっかり描いており、
互いが互いに自分が求めている自由を持っている状態であることから
問答無用で惹かれあうという流れを自然に見せています。

つまり恋愛と夢が掛け合わさっているわけです。


仲間との友情

『アラジン』はここも夢とリンクしており、夢と友情でも掛け算が起きています。
具体的にはジーニーの夢を実現するためにはアラジンが3つ目の願いを
ジーニーのために使わなければならないという伏線により、友情に説得力をもたらします。


夢を否定する悪

『アラジン』における悪役はジャファーですが、彼自身も他の登場人物同様に国を支配するという夢を持っています。
その夢が見事に登場人物たちの夢=「自由になること」と利害が対立しており、
明らかに悪意のあるやり方でアラジンたちの夢を否定しようとしてくる結果、
最終的には夢に溺れすぎ、罰として"自由"を奪われるという結末を迎えます。
主要人物との対比が描かれており、ここもきれいな掛け算となっています。

魔法

『アラジン』ではジーニーによる3つの願いを叶える魔法と、
魔法の絨毯の2つがこの要素を抑える役割を担っています。
最終的にアラジンは魔法に頼らずにありのままの自分を受け入れることで成長し、
自身の夢を手に入れます。
一方で魔法の力に溺れたジャファーは自ら魔法によって成敗されます。
また、友情を証明するのも魔法だし、
ジャスミンとアラジンの愛は魔法の絨毯の上で育まれます。
全ての要素と掛け合わさっているといっていいでしょう。


成長

『アラジン』の場合、貧しい暮らしや身なりから、他国の王子にドブネズミとまで言われ
怒りを顕わにするほどに自身の生活にコンプレックスを抱えたアラジンが、
最初はジーニーの魔法の力を借りて王子になりすましジャスミンを口説くことで
夢を手に入れようとします。
ですが、最終的にはそのコンプレックスを乗り越え、ありのままの自分の姿でジャスミンと結ばれる形になります。
魔法が成長を支援し、一方で最後は魔法に頼らないことで成長をします。
そして、成長したことで夢と愛を手にし、そしてジーニーを自由にすることで真の友情が証明されます。
主人公の成長が、愛と友情と夢を手に入れる手段になっているわけですね。
いやー、よくできてます。出来すぎてて可愛くない!


ハッピーエンド

てことで、最後はジーニーが自由になり、
アラジンとジャスミンは魔法の絨毯の上でA Whole New Worldを歌いながら
バンバン上がる花火をバックに口づけをして終わります。


はい、拍手!!!


2.登場人物

次に登場人物の魅力について書き連ねていきたいと思います。


共感性の高い夢に強い憧れを抱く主人公

アグラバーに住む貧しい青年アラジン。
羽賀研二の演技も相まってチャラい印象でしたが
やっとの思いで盗んだパンを子供たちにあっさり渡す場面が好感度を一気に上げてくれます。ピーターパンのチャラさと比べて全く不快な気持ちにはなりません。過去のディズニー映画史においてここまで好青年な男性キャラはいなかったような気がします。

好感度爆上がりアラジン


主人公が憧れ、愛情の対象となる魅力的な異性

宮殿での暮らしに嫌気がさし、脱走するアグレッシブさを持つ王女。
出会ったその日にアラジンの家に上がり込む度胸も中々ですし、
結果キスまでしようとします。
この時、ジャファーの手先が現れなければ、多分あのまま流れでおっぱじまってた。
アラジンのリンゴを肩から滑らせるテクニックを記憶し、
王子になってからもその正体を見抜く目ざとさや
ジャファーとあっさりキスをするあざとさなど大人の女性の魅力が万点です。

おっぱじまりそうな雰囲気


主人公を支えるお茶目だけど心強い友情の対象となる仲間

今回の仲間枠としてはアブーと魔法の絨毯とジーニーということになるかと思います。
この枠は単純に如何に一緒にいると楽しそう!と思えるかどうか、という観点になりますが
そういう意味ではジーニーは圧倒的です。ただ、テンションが高すぎるので
年1ぐらいで飲みに行く程度の距離感がよさそうです。
あとは魔法の絨毯が可愛い。
言葉を一切喋らないし表情もないのにも関わらず豊かな所作で可愛いと思わせてくるディズニー、エグすぎ。
アブーは空気です。
リトルマーメイドのフランダーといい、主人公の相棒は空気になりがちです。

Amazonで売ってた


人間味があり、主人公の成長を促す魔法使い

敢えて人間味の有無を魔法使いの要素に加えたのは過去作でも
フェアリーゴッドマザーやマーリンなど人間味ありまくりの魔法使いが登場している為です。
それにしてもジーニーはディズニーキャラクターの中でも
トップ3には入るぐらいのキャラ立ち具合でした。
演じたロビンウィリアムズがアドリブ効かせまくったことが大きいようです。
そう考えると声優ってやっぱり重要ですね。

本作の裏主人公

ちなみに、冒頭で登場する商人の正体はジーニーという裏設定があるようです。


こいつ。ペドラーという名前らしい


主人公の夢や愛を阻むスタイリッシュな悪役

すごい嫌な奴なんだけどカッコいい!という非常に難しい要件が求められるディズニーヴィランズですが、その枠において充分過ぎるぐらい他のヴィランと肩を並べられるジャファー。魔法も使えるし最後は蛇に変身するし男子は大喜びです。
一方でオシャレでダンディなのでジャファーが好きだという女子は一定量いる気がします。
でもジャファーが好きな女子は上司と不倫しがちな気がします、マジでなんとなく。

ジャファーの魅力は人間臭さでしょう。
恐らく、ランプの精の存在に気づかなければ彼はこんなことにはならなかったのだと思うのです。頭もよくて仕事も出来るからこそ国務大臣という地位まで上り詰めた彼が、
ランプの精という存在を耳にしたことで欲に溺れてしまう。
多分、昔から頭良すぎて周りからすると近寄りがたく、友達もロクに作れないタイプで、
唯一ぶっちゃけ話できるのがオウムのイアーゴなんだと思います。

鼻の下長いけどな


コメディリリーフを担う悪役の手下

悪役の手下が映画のコメディリリーフを担当するという伝統があると思いますが、
今作ではイアーゴがその役目を果たしました。
ただ、イアーゴは過去作の手下群と比べるとかなり狡猾な気がします。
ジャファーを唆したり、最後はそのジャファーを裏切ろうとしたり。
声が変幻自在だったりして、意外とチートなキャラな気がします。

クラッカーが相当嫌いらしい


3.高度なアニメーション技術と音楽

最後にこの項目について簡単に触れます。


アニメーション技術

先ず今作は正義を青、悪を赤として色を明確に分けた描き方をしています。
過去作も色の使い方の工夫というのはあったのかもしれませんが
アラジンほど分かりやすく色が使い分けされている作品は珍しい気がします。
色が人の心理や感情に及ぼす影響を戦略的に利用しています。

また、CG表現が進化しているかと思います。
特に、魔法のランプが眠る洞窟での脱出時の場面が強く印象に残ります。
過去にないスピード感をCGで見事に表現していました。
今見てもドキドキハラハラします。
そしてダイヤを盗もうとしたアブーにめっちゃイライラします
お前、結局映画全編通してそこしか印象にねぇぞ。

余計な事すんなよ・・・


音楽

ハワードアッシュマンとアランメンケンの黄金コンビが最後に携わった映画なので
そりゃもう名作が沢山あります。
カバーされてる楽曲が沢山あるので少し紹介しましょう。


まずアラジンのカバー曲で真っ先に思い浮かぶのは
LOW IQ 01の『A Whole New World』です。
この曲はディズニーソングをパンクロック風にアレンジした『Mosh On Pit Disney』というアルバムに収録されております。


確か自分が高校生に成りたての時にスペースシャワーTVとかで流れてきて
ビビッてTSUTAYAに駆け込んだ記憶があります。僕と同世代で刺さる人は多い気がします。


NE-YOの『Friend Like Me』も有名なカバーです。
この曲は『We Love Disney』というアルバムに収録されてます。
アルバム全体的にもオススメです。
ディズニー好きなら思わずジャケ買いしてしまうアルバムです。


90年代の日本語ラップ全盛時代に大いに貢献したKemuri Productionsのアラビアン・ナイトのHip Hopカバーも忘れてはいけません。
この曲はBreaks & Beats Disneyというアルバムに収録されております。
曲単体でのリンクが見つからなかったのですがアルバム全体でアップされてるものを見つけましたのでそちらのリンクを貼っておきます。
11分ぐらいから流れ出しますがめちゃくちゃカッコいいです。


結論


というわけで長々とアラジンの魅力について書かせていただきました。
色々書いたうえでの結論としては
疲れました。
良い作品を良い作品として説明するのって楽しくないんですよね。
アラジンのように作品として隙が無いのは可愛げが無いです。
優等生より問題児のほうが思い出に残るってズルくね?ってずっと思ってましたが
今回アラジンの感想書いてて確かに思いました。
やりがいが無い。と。
だって俺が感想書かなくても良い映画なことぐらい分かりきってるんだもん。
学校の先生も思ってたんでしょうね。俺が指導しなくても勝手に良い高校行くでしょこいつ。って。教師としての頑張りどころって不良を如何に更生させるか、みたいなとこありますもんね。金八先生も大体不良相手にしてたし。

そんな映画でした。

最後に一曲。
カバーで紹介しなかった『ひと足お先に』にします。
羽賀研二Ver.を見つけたのでそちらを。笑



そして次回はこの作品です!



以上終了また次回。

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