公開は1963年。
原作はアーサー王の少年時代を描いた『永遠の王』の第一部である「石に刺さった剣」です。
本作の原題も The Sword in the Stone となっております。
この辺りからディズニーの歴史上で作品として影の薄い作品が結構続いていく感じがしますが、
まさに王様の剣なんかは知名度が低い印象があります。
所謂、第一期暗黒期の幕開けとなった作品ではないかと思います。
ウォルトが生前最後に見た作品だとも言われています。
ちなみに僕は本作を幼少期に何度も繰り返し見てました。
で、ほかの人があんま知らない作品ということもあって結構愛着のある作品です。
なうえで、今回改めて見返して思ったことは「オレはこれをなんであんなに繰り返し見てたんだろうか?」ということでした。今日はそのあたりも踏まえつつ、なぜ王様の剣が知名度が低いのかについて愛情たっぷりに考察していきたいと思います。
他のディズニー映画の感想が気になる方はこちら。
あらすじとしては
エクター卿の城に居候している少年ワートが森で出会った魔法使いマーリンから
魔法を通じて色々なことを学び一人前の大人へと成長していく過程を描いた作品、といったあたりでしょうか。
はい、久しぶりに王様の剣見ましたがね。
歴代の作品と比べると見劣りします、これは否めません。
絵の作りこみも脚本の作りこみも明らかにレベルは低いです、
というかたぶんそんなに金もかけずに作ったんじゃないかなと思います。
これらはすべてディズニー過去作と相対的に見て、という前提ですけど。
で、それが不人気の理由になるかとは思うのですが、
それ以外に何が大きなポイントかということを考えたときに
いくつかの要素があるなと思いました。ので、今日はこんなことについて書いていきたいと思います!
題して、
王様の剣はなぜ人気が出なかったのかについて考える
で、毎度のことながら先に結論から言いますね。
結論はこれです。
なんか、全体的にキモい
はい、ということでいくつかの要素について書いていきたいと思います。
1.主人公が草食系すぎる
ディズニーの長編が始まって以来、本作は初めていわゆる普通の少年ワートが主人公となっています。
ピーターパンやピノキオもそれぞれ男の子ではあるけど、生身の人間ではないですよね。
ワートは生身の少年です。
まずこの時点でちょっと人気が出ずらい気がします。
なんていうんですかね、その。成長期の少年ってちょっときもいじゃないですか。
ワートも特段イケメンでもないし、、、ていうかガリガリなんです。
居候の身だし、そんなに食わせてもらえないのかなとか勘ぐります。
で、ガリガリさが何か生々しくてなんならちょっとキモいです。
そして更に言うとですね。このワートという少年は向上心が一ミリもないのですね。
義兄のケイとかいうすげぇ性格の悪いやつがいるんですが、
ワートはそいつの家来で良いと終始言い続けているわけです。
応援する気が起きません。
まぁ謙虚で素直な少年といえばそうですが、
たぶん社会に出たら真っ先に自分には向いていないとか言い出して
転職考えるタイプな気がします。
左がワート。足の細さがなんか生々しい |
義兄のケイ。中々いい感じのダメさを出してます。 |
生身の少年ではないピーターパンの感想記事はこちらです。
2.マダムミムがただただおっかない
僕はこの作品に関しては本当にマダムミムのことだけを特に鮮明に覚えていました。
マジでおっかないんすよ、この婆さん。
マダムミム。目がいっちゃってんだよ、、 |
悪役という括りでこれまでの流れを振り返ったときにマレフィセント、クルエラデビルときて、
その流れでなんでまたこんなおっかないババァを生み出すことにしたのか、
どういう方針というか戦略だったのかマジで聞きたいです。
個人的にはミムが踊りながら自分の怖さをワートに紹介する場面で
痩せて美人になるところがあるのですが、それがマジで怖かったです。
なんですかね。気持ち悪いんですよね。とにかく。
これからとんでもない目に合わされるんじゃないかという。
まぁ"私はとっても怖い魔女"とか歌っちゃうぐらいですから、そりゃ怖くていいんですが。
で、結局、ディズニーって悪役がスタイリッシュで魅力的だと人気が出るわけじゃないですか。
その点、ミム婆さんは、なんていうんですかね。
もうほんとただただおっかないだけというか。
思想とか目的も見えないっていうか本当にただ怖がらせたいだけっていう。
この婆さん、最後もほんとキモいんですよ、ただでさえおぞましい見た目にそれ付け足すって反則だろっていうか。完全に意図してキモくしているとしか思えないんですがね。。
マジ何が狙いやねんと思いました。
3.リスの求愛描写が過剰
マーリンが途中でワートを魔法でリスに変えるんですが、そこでメスのリスにワートがめっちゃ求愛される場面がありまして。
で、そのメスのリスがなんか可愛くないんですよ。
ていうかキモいんですよ。なんなんすかね。笑
あと、リスの求愛が鼻を触らせることということになってるみたいなんですけど、
それもキモいんですよ。1回とかならまだしもめっちゃやるんですよ。
やりすぎでちょっと狂気めいているというか。
人間ぽいっていうんすかね。動きが。動物というより人間寄りなのがキモいんすかね。
わかんないっす、キモいっす。
これ。なんなのこれ。 |
はい、ということで。多分これらの理由によって人気が出なかったんじゃないかなと思います。
この物語の根底にある教訓が、知恵と工夫を使って現実を生きろ的なことなんだと思っていて。
魔法使いマーリンは魔法を使いますけど、決してそれに頼るなと言いますし、
ミムとの魔法バトルでも基本的には小動物に化けることをメインで戦うわけですね。
派手にでかい魔法は使わないわけです。
それが何ていうかディズニーらしくない気がしていて。(夢と魔法を否定しているように見える)
そういうあたりは何か作り手側に思うところがあったんですかね。
ちょっと思うのはそれこそウォルトが亡くなる直前ですから、一気に作風を変えようという気概みたいな?
マーリンの教育方針が基本的に過去よりも未来に向いているあたりもそれを示唆していたり?
いかんせん知名度が低いことも相まって、本作に関してはあまり情報が集まらず、
その辺はようわかりません。
未来のバミューダから帰ってくるマーリン |
ただ、一つ言えるのは僕が子供のころに繰り返し見ていたのは
子供心になんかキモくてそのキモさが強く胸に残った作品だったからなんだろうなと思いました。
強く胸に残る作品という点ではほかのディズニー作品と変わらぬレベルだと思います!
あと最後にもう一つだけ、、、アルキメデスがかなりの萌えキャラです。
あの普段めっちゃツンツンしてるのにいざとなるとワートを助ける男気相当いいです。好きです。
最後まで読んでくださった方は有難うございました。
他にもディズニーの感想記事を書いているので
是非読んでみていただけると幸いです。
ディズニー映画感想シリーズ
ということで最後に1曲。
ここはもうこれ一択です。ミムがワートに自身の怖さを歌って踊りながら説明する場面。
今見ても相当キモいのですが是非見てください。
王様の剣より『Mad Madam Mim』です。
あー、キモ。
そして次回はこの作品です!
以上終了また次回。
王様の剣が懐かしくてつい、昔の記事にコメントしてしまいました。。
返信削除私も幼少期なぜかこの作品を繰り返し観ていました。
ミムは本当にキモいですよねw途中で斑点が出てくるシーンが相当怖いです。
しかし懐かしい。実家にあるビデオを漁ってみます!
ミーコさん
削除コメント有難う御座います!
王様のつるぎ繰り返し見ちゃう仲間が見つかって嬉しいです!
斑点のシーンはトラウマですね!
あの光を嫌がる様子も込みでめちゃくちゃ印象に残ってます・・・
僕も本当にお二人と同じく、幼少期になぜかこの作品を繰り返し観てました。
返信削除僕的にはふしぎの国のアリスやピノキオの方が結構トラウマだった気がしてます。
kimさんの感想が、僕が子供の頃に感じていたなんとも説明し難いモヤモヤの正に答えでありすっきりしました!
また、同じような時期に同じことを懐かしんでいる人がいて嬉しくなりました笑
ディズニー映画ってほんと素晴らしいですね。
コメントありがとうございます!
削除そう仰って頂けて何よりです!
このブログを書いてみて王様の剣は
意外と人気がある作品なんだということが分かりました。笑
ピノキオや不思議の国のアリスについても当ブログで感想書いているので良かったら是非ご覧ください!
なんか全体的にキモい にウケました 笑
返信削除マダムミムもリスも、どちらもやることが執拗ですよね 笑 それが子供ながらに苦手だったんですが、不思議と作品自体は繰り返し見てるんですよねー。結構繰り返し見てらっしゃる方が多くて驚きました。
久々に見てみようかなぁ。
コメント有難うございます!!
削除不思議な中毒性のある映画ですよね、、
でもこんな弱小ブログでこれだけ共感を生むということは
本当に何らかの中毒成分があんじゃねぇかと思い始めてきました。笑
王様の剣で検索したらたどり着きました。
返信削除キモいと本文で言われてる通り、まさしく自分もキモい怖いという思い出で埋め尽くされておりました…。
でも他の方と同じく何度も見てたんですよねーこれ。中毒性があるというか。
ディズニーの話題になっても一切王様の剣が語られる事がなかったので記事を書いてくれた事に感謝します。
コメント有難う御座います!
削除これだけ複数の方が繰り返し見ているのだとすると、本当に何か中毒性のあるモノがこの作品にはあるのかもしれませんね。
私こそコメントを寄せて頂き感謝です。
私は、王様の剣が、大好きでした!というよりは、マーリーンが大好きで、
返信削除きっとマーリーンは、コーチだったんだ!と今、コーチングを行っている私は、思うのです。そして、魔法は、愛でできている!そう、ここから学びました。
大人になって、みてみるとなんだか、がっかりもしましたが?
ちなみに、ピノキオ~甥っ子は、怖くて、トラウマ?かも~です!
怖さもキモさも、魅力の1つかもしれないですね!
コメント有難うございます!!
削除怖さもキモさも魅力の1つ!間違いないですね。
マーリーンはコーチという観点も確かにそうかもしれないですね、
素晴らしい視点を与えてくださり感謝します。
突然すみません。
返信削除私も幼少期見まくった人間でコメントせずにはいられず。幼少期あんなに見たのに知名度低い作品だからみんな誰かと共有したいのでしょうか笑
最近ディズニーDX加入で20年ぶりくらいに見ましたがたしかにワートはちょっとキモかったです!
歌やセリフがどんどん先に頭に浮かぶくらい覚えていたのですが、ワートの欲の無さがとにかく異様でした。幼少期の刷り込みのおかげで大好きな作品ですが。今初めて見たら何これ?だったかも。
他のディズニーアニメはいつも何かしら怖いシーンがあるので(ダンボの夢とかピノキオの大人たちとか)王様の剣はマイルドだったのか?魚やリスになるのも子供には夢のような話だったのかもしれません。突然のコメント失礼いたしました。こちらのブログに出会えてよかったです!
コメント有難う御座います!!愛着が湧いちゃってるんですよね、皆さんきっと。笑
削除ほんとに今思うと不思議な映画ですが確かに子どもが見る分にはいろいろな動物になる、というのは単純にワクワクするのかもしれませんね!
こちらこそコメント頂けて、この記事を書いて良かったです!!
キモいキモい連呼してるだけじゃねえか
返信削除お前の方がキモいわ(笑)
お前の好き嫌いの感情を正当化するために人気と結びつけるなよ
クソみたいな考察だな
不愉快な気持ちにさせてしまい申し訳ありません、、
削除感情と人気を結びつけないように気をつけます!!
突然の長文にて失礼します。
返信削除ワートに求愛していたリスの光景をふと思い出して検索したら、こちらのブログを見つけて拝読させて頂きました。
どうしてかは分からないのですが、確かに幼い頃、自分も何度も近所のレンタルビデオ屋(レンタルビデオ屋という言葉も既に懐かしいです)で借りては、観ていた気がします。
それも、有名作品を観たい兄達他の家族の反対を押し切ってw
4年前の記事にも拘らず最近書き込まれたコメントを見つけ、自分も思いを共有せずにはいられなくなりました。
全体的にキモいという最初の結論は読んだ瞬間吹き出してしまいましたが、なるほど。確かに思い返してみると、他のディズニー作品と比べて全体的な雰囲気が異様かもしれません。キャラクターデザインも決して秀逸とは言えないし、エンディングもワートが釈然としないまま王冠を被り、結局ハッピーなのかそうじゃないのか消化しきれない雰囲気でした。
ちなみに、マダム・ミムのキモさに関して自分がトラウマだったのは、最後マーリンに屋根に穴を開けられて、そこから差し込む日光に苦しみ、斑点だらけの顔を覆いながら布団にくるまり、「助けとくれー助けとくれー(やめとくれーだったかな?)」と苦悶の叫びをあげながらフェードインしていくシーンです。10歳未満のロクに社会の理不尽を知らない当時、後味が最悪でしたw
人気があまり無い理由として自分がふと感じたのは、ワート(後のアーサー王)の描き方があまりにかっこ良くないからではないというのもあるかもしれません。
アーサー王伝説は欧米では中世の英雄伝説として一応それなりの人気があるのに、そのアーサー王の幼少期を、ロクにかっこいいシーンも描かず最後まで向上心や英雄の片鱗らしきものも見せないままダサく終えたことが、アーサー王伝説好きの欧米人の視聴者の反感を買ったという可能性もあるかも、と、記事を拝読して思いました。
ひいき目に言って、人畜無害なただの良い子として描かれてますし。
日本で有名になるディズニー作品は、まず本土米国で当たってから日本で広まりますし、欧米各国で当たらなかったんでしょうね。
それと最後に、ワートに求愛する雌リス、当時の自分には凄く可愛らしく見えました。今でも検索にかけてしまう程です。けど確かに、ちょっと擬人化し過ぎにも見えますw
ワートの魔法が解かれて人間に戻り、その姿を見て悲しそうに泣きながら走り去って行くリスの様子は、当時幼い自分には全く意味が分からなかったんですが(何で悲鳴上げて逃げてく中年リスババアみたいにならないのか、とw)、後になって意味がわかり(その意味も極度に人間っぽくてむしろラブコメっぽい)、そんな自分の中での印象の変遷も、記憶に残っている理由かもしれません。
懐かしい作品の思い出をたくさん共有させて頂き、どうもありがとうございます。
コメントありがとうございます!!返答が遅くなってしまい大変申し訳ありません。
削除マダムミムのラストシーン、めっちゃ分かります・・・あの気持ち悪さは幼少期の自分の心に強く刺さりました。。
リスのシーンは私とは違う印象を持たれたようですね。
ただ、いずれにせよリスの記憶でこのblogにたどり着いて頂けたようですので、心に強く残るという点では共感が出来ているかと思うと嬉しいです。
名作は数多くありますが、このような作品でも多くの人の心に強く残っていることが分かり、blogを書いて良かったなと感じています。
また遊びに来てください!
初めまして!
返信削除私も王様の剣、子どもの頃繰り返し見ていました!
なのに、マダムミムのことをすっかり忘れていて、ブログを拝見して、あのトチ狂った魔女を思い出して嬉しくなってコメントさせていただきました。
確かにただただ怖くてキモい悪役って珍しいですね。
私はマーリンがカバンに家具を全て入れてしまう魔法のシーンが印象的で何度も見ていた気がします🧳
年末、DVD借りてきて見ることにします。また記事楽しみにしています。
返信が大変遅くなり失礼しました、、
削除コメントくださりありがとうございます!!!
王様の剣を子供のころ見ていた仲間がまた増えて嬉しい気持ちでいっぱいです。
マーリンが家具をカバンに入れるシーンは、わくわくしますよね!
僕もあのシーンも結構好きです。
いつか更新するときが来ると思いますので、よかったら年一ぐらいで遊びに来てください。。