【読書記録】4月-3 人たらしのブラック心理術

2020年5月20日水曜日

読書記録

t f B! P L

読書記録 4月-3

人たらしのブラック心理術



■著者
内藤誼人
■出版社
大和書房 (2008/9/10)
■所感 
最近"悪"や"ブラック"といったワードと"心理学"を結び付けて
購買意欲をそそろうとする本が非常に増えた気がします。
ただ、蓋を開けてみると大したことなかったり。。
この本はタイトルこそ、その流れを汲んでいますが冒頭から「人たらしの何が悪い」という前提の確認から入り、読み手の納得感に対して適切にアプローチしようとしている姿勢が印象的です。
また、あとがきではタイトルと内容の整合性についてしっかり触れており、
筆者の誠実さを強く感じました。
これも心理学上のテクニックなんだとしたら一本取られた感があります。

また、心理学の本は数冊手にしたことがありますが
ただただ「こういう〇〇をする人は〇〇な傾向がある」という
知識の提供のみのケースが多いと感じます。
これはこれで当然勉強になりますが、で、どうしたら暮らしに実践できるのか?
は読者に委ねられていて、僕のような雑魚には知ったところで実践できないことがしばしばありました。

一方で、この本はしっかりと何をするべきか?が書かれているように感じますので
心理学初心者の方にもうってつけな本ではないかと思います!



■刺さった文章
1.
本書の基本スタンスは、"人をたらしこむのは絶対にいいことだ"ということである。なぜか。その理由は単純で、人たらしな行為をしてあげれば、相手が喜んでくれるからである。相手が喜んでくれることを、わざわざやってあげるわけだから、非難されたり、後ろ指をさされるようなことは、何もないはずだ。「人たらし」でけっこう。誰にも負けない「人たらし」になろう!そんな気持ちで、筆者は大まじめに本書を執筆した。

⇒この入り口、これが所感で触れた部分。この文章で一気にちゃんと読もうという気持ちになりました。これは心理学的なテクニックなのでしょうか。



2.
人間の本性は善なのだ、と考える「性善説」は、なんら益をもたらさないばかりか、有害ですらある。(中略)人間関係というのは、私たちが考えている以上に、脆弱な基盤から成り立っている。(中略)人に好かれるコツは、「とにかくいろいろなサービスを、何度でも繰り返してあげること」であるという。
⇒この中略のなかで、性善説は甘えであると言いきっている。付き合った年月や"これだけのこをとしてあげた"という思い、そういったものは夫婦間や友人間だとしても全て甘えであり危機感の欠如は人たらしから遠ざかっていくということ。うーん、なるほど確かに。



3.
人たらしになりたいなら、些細な点ほど、敏感になることをオススメする。(中略)私たちの人間関係を決めるのは、とっくみあいのケンカをしたとか、大切な約束を破ったということではなくて、ビールのお酌をし忘れたとか、電話をすると言ってしなかったとか、皮肉な冗談を言ってしまった、というくらいの非常につまらないことが主な原因なのだそうである。

⇒中々に目から鱗な指摘。ごく当たり前だけど意外と見落としていたかもしれない。
というかこれ逆説で、ここもしっかり押さえられると、かなり周りと差別化できるんだろうなと強く感じる。



4.
部下が書き上げた報告書を読むときにも、「いい線だね」のセリフは使える。別に、あなたがどこをどう手直ししろと命じたわけではないのに、勝手にあれこれと考えて、手直ししてきてくれるからだ。(中略)「いい線だね」と言う戦術は、指示、命令、強い要求をしているわけではなく、相手に自然に変わってもらえる戦術だ。

⇒これは自分的に新しかった。多用すると嫌われそうだけど。笑


■最後に一言
刺さった文章、4つに絞るというルールを自分に課しているのですが、
1から3まですべて冒頭第一章までの範囲になっちゃいました。
それくらい入り口の"前提の説明"の納得感が強く印象に残りました。
前提のすり合わせから入る。ビジネスでも重要なスキルのように感じます。

というわけで、私はしっかり著者にたらされました!



おわり。

自己紹介

ITベンキャー勤務のエンジニア兼営業。モテたい。

更新頻度

月2回くらい不定期更新blog

QooQ