【ディズニー映画 感想】リトル・マーメイド ~過去のプリンセスと比較してみた~

2020年5月6日水曜日

【ディズニー作品】【感想】

t f B! P L
本日は『リトル・マーメイド』について書いていきたいと思います!!
原題は『The Little Mermaid』 (なぜ邦題いじらなかったんでしょう?)
公開年は1989年。前作『オリバー ニューヨーク子猫物語』公開から1年後の公開です。
テンポ良いですね!

本作は興行的に大成功をおさめ、アカデミー賞も受賞。

当ブログでも紹介してきた通り、本作がきっかけとして
第二期ディズニー黄金期、すなわちディズニールネサンスが開幕、歴史的にも非常に重要な位置づけとなる作品といえるかと思います!!


この作品は僕たぶん1兆回は見てます。
この記事にたどり着いた皆さんも概ね1兆回くらい見てるのではないでしょうか。
作品自体は見たこと無い人がいたとしても、さいあくアンダーザシーを聞いた回数は
大体1兆回くらい行くと思います。

というわけで1兆1回目のアンダーザシーでも聞きながら続きを読んでください。


他のディズニー映画の感想が気になる方はこちら。




あらすじとしては
海底アトランティカの王トリトンの末娘アリエルは父の強い反対に反発しながら
地上に強い憧れを抱く。
ある嵐の日、沈没しそうな船に乗っていた王子エリックを救出することで
恋が芽生え、その思いの強さから魔女とある取引をするのだが・・・。

みたいなお話です。


はい。遂にリトルマーメイドです。

僕はこの傑作の感想を書くにあたり、
リトルマーメイドという作品単体の感想をただただ普通に書いても
面白くもなんともないなと思いました。

なので今日はこんなテーマで書きます。

"第一期黄金作品(初期プリンセス作品群)との比較においてリトルマーメイドの何が優れているのかについて考える!"


で、毎度恒例のことながら最初に結論書きますと、

正統な進化版でありその集大成であり、
もう全面的に勝ち。

はい。

色々比較してみた結果、
プリンセス単体で見てもアリエルが勝ちでした。
陸に引き上げられたら際どいですが水中戦に持ち込めば先ず負けません。

白雪は七人の小人が仕事に行ってる間ノーガードだし
デレラは0時過ぎまで海にいれば不戦勝に持ち込めるし
オーロラさんは寝かしつけて鼻つまむだけでいけます。

なのでもう全面的に勝ちです。

という糞みたいな前置きはこの辺にして本題いきます!


オーロラさんだけ"さん"付けにしている理由が書いてある『眠れる森の美女』の感想記事はこちらです。


先ず、過去作との比較をするにあたって、
対象となる全4作品の共通要素の分解をしました。
それに加えてリトルマーメイドの特異点も追加することで
この作品の凄さを表現していこうかと思います。

ということで取り急ぎ表にまとめてみるとこんな感じです。
※表そのものの見栄えが糞なのはお許しください。

横軸が作品、縦軸は僕の独断による評価項目です。


では、一つずつ見ていきましょう!


1.音楽


表においては代表曲とサブ曲で分割しましたが
文章が長くなるのでここではまとめちゃいます。
ちなみに代表曲とサブ曲の区別としては、
客観的に考えて誰もが知っている曲の数を代表曲としてカウントしました。

リトルマーメイドは曲数が過去作と比べて非常に多いです。
そして代表曲となる曲も過去作と同じ数であることが分かります。

あと、比較という観点で見えてきた点として、
・全ての作品に共通して代表曲の中に必ず1曲は
 主人公の(現状からの解放への)願いが込められた歌が含まれています。
 (リトルマーメイドにおけるPart of Your World)

・その共通点を抱えながらもリトルマーメイドが特異な点として
 歌に込められた願いの対象が他3姫は"運命の人との出会い"であるのに対して
 アリエルは陸に出たいという願いであるという違いが見えてきます。

この差分の解釈を掘り下げるとディズニー映画考察において
手あかの付きまくった「世の女性の歴史」方面に話が傾いていきそうな為、
深く掘り下げるのはやめておきます。長くなるから。

なので取り急ぎアリエルの勝ちです。(適当)

ちなみにリトルマーメイドで代表曲としてカウントした曲は以下です。
「Part of Your World」
「Under the Sea」
「Kiss the Girl」

どれも大好きです。

しつこいですがディズニー暗黒期からの脱却において
音楽が戦略上重視されていたことはほぼ間違いないかと思います。

この名曲の数々を生み出したのは
ハワード・アッシュマンとアラン・メンケンの偉大な黄金コンビ。

第二期黄金期はこの2名の力に依る部分がかなり大きいと思います。
生まれてきてくれて有難うございます。

左ハワード・アシュマン 右アラン・メンケン


2.姫の主体性


この項目は正確には、自身の願いに対しての主体性です。
そして過去作と比べてリトルマーメイドが特異な部分かと思われます。

先に過去3姫に触れますが彼女たちは全員ほぼ主体性無いです。
シンデレラが唯一、セリフの端々から"意思"は感じる為△にしました。
白雪姫とオーロラさんは論外です。この二人はほぼ何もしてません。
知らない人からもらったリンゴ食ってぶっ倒れるどん臭い人とただ寝てるだけの人です

その点、アリエルは以下の行動から主体性アリと判断しました。

・人間に会うために禁じられている海上へ出る
・一目ぼれしたエリックのために嵐に飲まれるところを救出する
・再びエリックに再会するためにアースラと契約を交わす
・エリックとキスするために女の顔になる
・トリトンを助けるためにアースラにしがみつき、フロットサムとジェットサムを退治する

など。挙げればキリがない主体性発揮具合です。

キスのくだりはこう書くとなんか尻の軽い女みたいになっちゃいますが、
ここは脚本がよく出来ていて、エリックとのキスが
魔女の呪いから解放されるための手段でもある為、
自然な成り行きでアリエルの主体性が発揮されるわけです。

ちなみに"女の顔になる"と書いたのは一つの見せ場である
『Kiss The Girl』が流れるボートのシーン、ここでアリエルは女の顔になります。
あの顔されてもすぐにキスしないエリックは多分童貞です。

一方でトリトンがあのアリエルの顔見たらガチ切れしそうです。
あのなんかよく分からないヤリみたいなの振り回してアトランティカ滅亡させかねない気がします。

なのでアリエルの勝ちです。(何が。)

この顔!目つきが女の目だよ!


どん臭い白雪姫が登場する『白雪姫』の感想記事はこちらです。

3.顔面の重視度


この項目は、王子と姫が惹かれあう要素として
顔面がどれだけ重視されていたかという意味です。
つまり姫と王子の人間としての厚みを評価しています。

このくだりはシンデレラの感想記事でも書いたので細かく書きませんが
どうしても過去3作はお前らほぼ顔面じゃねぇか!という突っ込みが付きまといます。

その点、リトルマーメイドは互いに惹かれあう前に
・火事になった船から愛犬マックスを救出する勇敢な王子
・嵐の海に飲まれる王子を助ける姫
という人間性の描写があって、
そこに惹かれあっているという"解釈"ができます。

なのでアリエルの勝ちです。(何が。)

まぁ、、ぶっちゃけアリエルはエリック見た瞬間に
一目ぼれしてるんだけど。。
それが明らかに分かる表情の変化。。凄い。。


顔面重視の人としてどうかと思う王子が登場する『シンデレラ』の感想記事はこちらです。

4.悪役の存在感


アースラは凄いです。
まさに過去のディズニー映画(プリンセス3作に限らず)悪役の集大成みたいなやつです。
過去3作も悪役の存在感は半端ないため、ほぼ引き分けにしましたが
具体的にどの辺が集大成か書き記します。

・白雪姫の魔女のような不気味な若返り方をし、
・ドリゼラとアナスタシアより優秀な二匹の手下を従え、
・メデューサのような下品な化粧シーンがあり、
・カーのように身体(タコの足)をクネクネさせ、
・マダムミムのようなおぞましい怖い歌が用意されていて、
・クルエラのような血走った目で声と足を引き換える契約を迫り、
・メデューサがペニーちゃんにしたようにマックスを足蹴にし、
・マレフィセントやラティガンのように最終的には変身(巨大化)し、

「真実の愛よ、くたばれ!」と言い放つ。

最後のセリフはディズニーヴィランズ全員の思いを背負った名台詞です。
背負ってるもんが違います。

ただ、フック船長との共通点が見つからなかったのが残念です。
まぁあいつ、そんなに悪いやつじゃないからな・・・。

悪をすべて背負いそして回収してくれる魔女


5.脇役の存在感


ここで言う脇役は主人公の味方となる脇役たちです。
脇役の輝き具合が作品の人気を分けるといっても過言ではないくらいに
重要な要素だと僕は思います。
本作も過去3作に対して全く劣らない素晴らしい脇役達です。

スカットル、セバスチャン、フランダー。


僕は子供のころスカットルが嫌いでした。
いい加減なことしか言わない知ったかぶり野郎だなと思ってました。

ただ、今回見返してみて株が一気に上がりました。
何かというと、ラストシーンに差し掛かる場面のスカットルのセリフです。

散々アリエルたちに間違ったこと教えてきたスカットルですが、
終盤、彼がいち早くエリックの嫁がアースラだということに気付きます。
そのことをアリエルたちに知らせた際に
セバスチャンから本当かどうか疑われて
「こんな大事なこと間違うかよ!」
という見事な伏線回収のセリフを言い放つわけです。
なんて胸の熱い展開!
と、僕の株を一気に上げました。

このフォークの使い方は最後まで引っ張られます。


セバスチャンは言うまでもないです。
裏の主人公といってもいいでしょう。
先ず彼が宮廷音楽家であるという位置づけがミュージカルを自然にしています。

それから、彼のことを好きにならざるを得ないのは
なんといってもアリエルが足を手に入れて陸に上がった直後のシーン。

セバスチャンは宮廷に戻ろうとしますがアリエルの表情を見て、
「(そんなことしたらアリエルは)きっとみじめな一生を送ることになる」と呟き、
アリエルへの協力を決意します。

言葉を失ったアリエルの悲しげな表情と、それを察するセバスチャンの表情、
ここは迫真の演技だと言っていいでしょう。
セバスチャンまじ良いやつです。

このシーンです。父親にしたいランキング1位になれそうです。


フランダーは中盤から存在感が一気に無くなっていくのですが
その理由は恐らく製作中にフランダーの声優が声変わりしたから。
(※参考情報:DVD特典の音声解説)
だから以上です。←

良いやつだよ


6.王子の存在感


この評価項目は面白いです。

採点してみて分かりましたが
過去から現在にかけて作品ごとに王子の存在感が増していっています。
白雪姫では空気以下でしたが
以降の作品においては『美女と野獣』では姫と王子が二人とも主人公になり、
『アラジン』ではついに王子単体で主人公になるという逆転現象が起きています。
この変遷は中々に興味深いものだなと感じました。

なお、本作の王子エリックとフィリップの評価差分としては
エリックは魔法に頼らず自らアースラに立ち向かい、
独力で倒した点となります。

ただ、エリックの服装が好きになれないです。
白シャツってなんか苦手です。清潔感の象徴ですよね。
完全に主観ですが嘘くさく感じちゃうのです。
パーカーとか着てほしいです。

胸元閉めてほしいなぁ・・・


7.父親の存在感


これはこの作品の特異点だなと思い項目化しました。
シンデレラと眠れる森の美女が△なのは父親が一応描かれているためです。
ただ、過去作の父は王子に結婚するように迫るハゲた小太りのおっさんと
ただただ絵として対照的にヒョロくてフサフサのオーロラの親父という
記号的な扱いしかされていなかったかと思います。

それが本作のトリトンは一気にディズニー映画における
父親枠の存在を高めたかと思います。

主人公(=娘)の主体性が高まったことで
抑圧の役割としての父親の存在感も高まったのかなと感じますが、
これは時代の変化が反映されたものではないかと思われます。

ただ、ちょっと話逸れますが、王子と姫の表現のされ方は
本作以降もどんどん時代の移り変わりとともに進化していく一方で、
親子のテーマはこの頃からそんなに変わってない気がしますね。
反抗する娘とそれに翻弄される父親っていう。
ここから変わることはあるのでしょうか。

まぁ俺独身だから関係ないんですが。(泣笑)

ディズニーで最も威厳と存在感ある父親かも・・・


8.魔法の存在感


この項目は物語における魔法が占める割合の度合です。
が、どの作品も甲乙つけがたかったです。

ていうか、ディズニー作品は全部◎でいいでしょう!

見る人に魔法を与えてくれるから!どん!!!



というわけでリトルマーメイドが如何に第一期黄金期作品と比較して優れているのか、を
まとめさせていただきました!

尚、逆に過去作のほうが優れている点もあるとは思いますが
今回はリトルマーメイドが優れている点を
より分かりやすく書くという目的での比較だった為、
割愛しております。

長文となりましたが最後まで読んでくださった方は有難うございました。

他にもディズニーの感想記事を書いているので
是非読んでみていただけると幸いです。

■今回比較として取り扱ったプリンセス3作

■その他
ディズニー映画感想シリーズ


それでは最後に一曲。
名曲が多いので悩ましいですが、
僕多分この曲が一番ディズニーソングのなかで好きなのです。
なのでこの曲にします。
リトル・マーメイドより『Part of Your World』です。



そして次回はこの作品です!





以上終了また次回。

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